「・・・待たせたな。帰るぞ」
低い声に次第に醒まされ、ただ見つめ返すだけの私に闇色の眸が揺れる。どこか心許なさげに。
垂れていた腕をゆるゆると持ち上げ、伸ばした手で頬に触れれば。幹さんはなぞる指先を確かめるように一瞬、瞑目した。
今はそれだけで、お互い無口にもう一度見交わし。ゆっくり車に戻りかけたあなたを思い直して呼び止めた。
「筒井君と少しだけ・・・話がしたいんです」
「三分で済ませろ」
素っ気なく言いながらも、下に降ろしてくれた後はなにも言わない。
膝の上で両拳を固く握りしめ項垂れたままの、彼の前で屈み、深く息を逃してから私は小さく声をかけた。
「筒井君・・・私ね。好きだって言ってくれたのが筒井君じゃなかったら、恋をしてみようなんてきっと思えなかった。筒井君だったから自分を変えられそうな気がしたの・・・・・・」
低い声に次第に醒まされ、ただ見つめ返すだけの私に闇色の眸が揺れる。どこか心許なさげに。
垂れていた腕をゆるゆると持ち上げ、伸ばした手で頬に触れれば。幹さんはなぞる指先を確かめるように一瞬、瞑目した。
今はそれだけで、お互い無口にもう一度見交わし。ゆっくり車に戻りかけたあなたを思い直して呼び止めた。
「筒井君と少しだけ・・・話がしたいんです」
「三分で済ませろ」
素っ気なく言いながらも、下に降ろしてくれた後はなにも言わない。
膝の上で両拳を固く握りしめ項垂れたままの、彼の前で屈み、深く息を逃してから私は小さく声をかけた。
「筒井君・・・私ね。好きだって言ってくれたのが筒井君じゃなかったら、恋をしてみようなんてきっと思えなかった。筒井君だったから自分を変えられそうな気がしたの・・・・・・」



