黙って俺を好きになれ

タスケテ、ダレカ・・・!!!

躰を折ってきつく瞼を閉じ両耳を塞ぐ。五感すべてを拒絶して。悲鳴を上げた。名前を叫んだ気もした。その衝動が戦慄だったのか絶望だったのか、祈りだったのかも分からなかった。

我に返るまで時間の感覚さえも失っていた。夢か現実かの境も無くなるほど静寂で。弾かれたように振り向けた視界に黒いコートの立ち姿を捉えた時。張り詰めていた糸が切れて膝から崩れ落ちた。

生きてる。

意識が霞みそう。息が切れる。心臓が胸を突き破るかと。苦しさに喘ぐ。山脇さんが私を引っ張り上げようとするけど、どうしても躰に力が入らない。

「最後まで見届けねぇでどうする。若に腹を決めた嬢ちゃんの責任だろう」

頭上に注いだ厳しい言葉。私の・・・責任。

床に座り込んだまま、やっとのことで項垂れていた顔を上げた。気力だけで焦点を合わせ。そこに立ち尽くす筒井君の顔は蒼白に見えた。

「・・・ボーヤの番だ」

非情な声が渡った。

「なんなら俺が代わりにトリガーを引いてやってもいい。一瞬で決着(ケリ)がつく」

下ろした腕をゆっくり戻し、銃口を正面に定めた幹さんに容赦はなかった。