黙って俺を好きになれ

コンクリートの床に音を立てて散らばった銃弾。拾い上げた1発を込めてシリンダー(ルーレット)を回す。

映画のワンシーンを見ているのかと。膝から崩れそうな緊張に追い詰められながら、現実味がぼやけている。頭の中でか空耳か、さっきから警鐘音が甲高くエコーして。なのに金縛りにあったみたいに声すら出せない。

何発目の発射に装填されたかは神のみぞ知る。右でグリップを握った幹さんがやおら鈍色の銃口を筒井君に向け、言った。

「後でも先でも順番は好きに選ばせてやる」

うそ。・・・でしょう?だって。死ンジャウ。ゲームじゃない、生き返らない、リセットなんかできない・・・っっ。

「・・・・・・・・・アンタだって死ぬんだよ」

「ついこないだ、三途の川の手前でイトコに引き摺り戻されたばかりでな。運試しで外したことはねぇよ」

かすかに震えた筒井君の声。低く笑いをくぐもらせた幹さんに怖気は一切ない。覚悟の違い。・・・そんなものじゃない気がした。