黙って俺を好きになれ

一歩も退かずに幹さんに挑むキミの。声にならない声を聞く、引き留めるのはこれが最後だと。見えてなくても思いが染み込んでくる。

何度も。
何度も。
道を外れてく私に伸ばされた優しい手。

犬耳が生える愛嬌のある顔より遙かに大人だった筒井君の手。
繋いだこともあった。
抱き締められたことも。

その手を取れば絵に描いたような未来が待ってた。キミに意地悪をされながら笑ったり怒ったり。

その手を取れば叶うものの方が多かった。天秤にかけなくても分かってた。

普通の幸せに背を向けきれてない自分も知ってる。振り払えない迷いや不安を必死に押し込めて、奮い立たせてる。やっと一歩を踏みしめてる、それが等身大の私。

いつか。選ばなければよかったと恨んでしまうかもしれない。代償の重さに堪えきれなくなるかもしれない。

今だって何もかも割り切れてるわけじゃない。知らずにいるお父さんとお母さんを思えば・・・!