黙って俺を好きになれ

離れていた分を一息に求め合った濃密なひととき。言葉だけじゃ足りなかったものをお互いに別け合い、確かめ合えた。

夜通し体を繋げてもどこかに隙間があって。心細さが拭えなかったのに、今は。熱が冷めても満たされていた。こんなにも安らいだ気持ちで余韻に包まれたことはなかった。

幹さんは愛しむような口付けをあちこち降らせてから、服を着直した私に膝枕をして髪を撫でてくれている。気怠い躰にひどく心地よく、微睡みかけると静かな声がした。

「・・・近いうちにお前の親に会いに行く」

お父さんとお母さんに会いに・・・?

ぼんやりしていた意識が数秒遅れでいきなり鮮明になった。バネに弾かれたみたいに起き上がり、まじまじと幹さんを見つめる。

「一緒に暮らす男の顔くらい見せないでどうする。堂々と俺を紹介しろ」

不満か?とでも言いたげな眼差しで気圧すあなた。

「表の顔ってのは、こういう時に使うもんだと思ってたがな」