黙って俺を好きになれ

刺され損。言葉どおり受け止めて自分なりに噛み砕く。もしかして。私にも無関係じゃない理由で・・・?

「・・・幹さん。自分だけなにも知らないでいるのは嫌です」

警護係の人がベッド脇に用意してくれたパイプ椅子に腰掛け、ずっと手を握ったままで幹さんを真剣に見つめる。目を合わせたあなたは、まだ気怠そうに薄く口角を上げた。

「・・・気にするな。俺としちゃ安い取引だったぞ・・・?」

「でも・・・っ」

「あの女でなけりゃ、その程度で済まんでしょう」

「・・・黙ってられねぇのか」

山脇さんが敢えて会話に横やりを入れたような。今は絶対安静な幹さんの眼差しに険しさが増すのを、意にも介さず彼は続ける。

「惚れた男が目もくれねぇのが、よっぽど(しゃく)に障ったんだろうよ。向こうの顔を立てて破談にはしねぇが一年で縁切りだ。・・・親父も好きにしろってな」

私を捉えて眇めた目に気圧された。・・・まさか。大きく息を呑んだ。

「結婚相手の人に刺された、んですか・・・?」