黙って俺を好きになれ

長く息を逃す気配。煙草をくゆらせる立ち姿がまざまざと浮かぶ。紫煙を追って少し目を細めたあなたの横顔まで。

・・・ああ。なんだろう。声だけじゃ足りない、今すぐ会いたい。会って抱き締められたい。こんなに強くあなたに焦がれたことはなかった。もうどうなってもいいから一秒も離れていたくないと思った。

筒井君に穿たれた心臓。服の上から胸の辺りをきゅっと掴んだ。ヒューヒューと風を通しっぱなしで埋まらない。頼りない気持ちばかり吹き抜ける。寂しくて凍えそうで、躰中の細胞が軋んでる。

幹さん。
幹さん。
幹さん・・・っっ。

「どうしていいか分からないくらい・・・幹さんが好きです」

『・・・煽るなよ』

「いつも幹さんのそばにいたいんです・・・」

『ああ、待ちくたびれてるぞ。早く来い』

「・・・私がいたら、出世の邪魔になりませんか・・・?」

一瞬、沈黙が下りた。

『・・・・・・山脇から下らねぇことでも聞いたか?』

トーンが一段低くなり、見透かしたようにあなたは言った。