黙って俺を好きになれ

どこかお店の中なのか雑多な音声も途切れ途切れに入り混じっていた。接待が多いのも聞いていたのに、やっぱり邪魔をしたかもしれない。途端の後悔。

「あの・・・すみません、お仕事中に」

申し訳なさでいっぱいになり項垂れる。

『謝ることじゃねぇよ。お前からかけてくるとは思わなかったが、何かあったか?』

「・・・大丈夫です、ごめんなさい。声だけ聴きたかったので切りますね・・・!」

自分からかけておいてと思うけど、早く話を終わらせることしかなくなって考えるよりも先に口から飛び出た。

向こう側から人の悪そうな笑いがくぐもって聞こえ。

『声だけか?こっちはお前を抱きたくてしょうがない』

妖しい響きに耳から侵されていくような。思わず顔に熱を生む。

『いいから言いたいことがあるなら言え。俺が明日も生きてるとは限らねぇぞ?』