黙って俺を好きになれ

ごめんなさい幹さん。無力で弱くて覚悟も足りていない私で。

「ありがとう・・・心配してくれて。“大丈夫”。・・・“信じてる”から」

これから先、自分が折れないよう刻み込んでいく呪文。

君を失うのはこんなにも痛くて辛い。必死に私を引き留めてくれること、想ってくれたこと、できるなら受け止めたかった。応えたかった。

君よりほんの少しだけ重かった、幹さんに傾いた心の量が。傲慢かもしれない、でも。幹さんの孤独を埋めてあげられるのは、幹さんが愛せるのは、私しかいないから・・・っ。

眸を上向かせ筒井君を見つめ返した。見えない刃をまだ振りかざしたままキミは苦そうに笑った。

「そんな泣きそうな顔されたら困らせたくなるでしょ」

「・・・・・・ごめんなさい」

「糸子さんは途中で放り出せない人だもんね。分かってるんだけどなぁ」

溜息混じりに呟きが返った。