黙って俺を好きになれ

甘えろ、は『俺を必要としろ』にも聴こえた。無条件に相手を頼ることも愛の形だと。梨花にも似たことを言われたはずだった。

「それじゃ、あの・・・ホットプレートがあったら便利なんですけど」

一緒に手作り餃子を作って焼いたり、お好み焼きとか。家ではお手伝いさんが作るご飯が出てくるだけだと聞いたのがふと浮かんで。

「ついでに指輪も買ってやる」

耳に低く囁かれた声は甘くて不敵で、どっちがついでだったのか。・・・幹さんには敵わない。




余った食材の消費メニューになったものの残らず平らげてくれ、当然のように次回のリクエストも。

後片付けを済ませてリビングに戻れば、黒の三つ揃いに着替えたあなたはソファで脚を組みスマホに目を落としている。髪もワックスで整えられ、そこにいるのは紛れもなく極道と呼ばれている小暮幹。分かっていても・・・それが少し寂しかった。

「来い」

スマホを手元から離し、私を引き寄せて膝の上に座らせた。黒いシャツの襟元には見栄えよく締められた光沢のあるブルーグレーのネクタイ。幹さんと目が合う。

「お前の見立ては悪くない」

満足そうに口角が上がった。