黙って俺を好きになれ

間違えて足枷にならないように。山脇さんの言葉をないがしろにはしない。ただぶら下がるだけの荷物になるなら身を引く。あなたが許さなくても。

頬に伸びてきた大きな掌の温もり。闇色の眼が無音で私を貫いていた。

「お前は俺のものだ」

「・・・はい」

「死ぬまで離さねぇよ」

「はい」

「俺だけだと誓え」

ああ。
これは儀式なんだと。
お互いを捧げる、・・・二人だけの。

幹さんのもう片方を包んでいる両指にきゅっと力を込めた。

「誓います・・・」

その瞬間のあなたの表情は記憶から消えないと思う。

見せたこともないくらい切なげに歪んだ眼差しも。儚なげな、薄ガラスの花を咲かせたような微笑みも。