先生の恋人。また胸が痛くなる。

「・・・」

「でももう居ないんだ」

「えっ?」

「この話はここまで。今日はもう帰りなさい」

「...はい」

少し悲しげな笑顔をした薬師寺先生。

居ないってどういうことなのかな?

この時あたしはまだ、先生の悲しい表情にはもっと深い事情があるのを知らなかった。

「そうだ。明日から体育祭の練習だけどあまりケガしないでね?」

「体育祭!?」

すっかり忘れてた。

学生生活の中で一番ケガをする行事が...!

しかもこの学校、他の学校とは違うところがある。
それは体育祭が年に二回あることだ。

スポーツ名門校の体育祭。

あたしにとって史上最大のドジをしでかすかもしれない...!

...あわわわわ!