【完】恋の治療は保健室で

「楓舞お前はこの学校を卒業して母校で養護教諭
になれ。お前の治療の技術や優しさがあればお前はきっと立派なやつになれる」

「そんなことしても僕にはもう、何も得ることが出来ない。大学に行けば心の傷が少しは無くなるかと思っていたけど、むしろ周りの幸せな姿を見て僕の心の穴は広がるばかり。なのにあなたはあそこに僕を戻してまたあの時のことを思い出させるんですか?」

「俺はむしろ今いるお前の後輩たちに向き合って欲しい。大沢の事を思い出すかもしれない。だがな、楓舞、あそこにはお前と似たような心の傷を負っている奴らが沢山いるんだ。それに一緒に親身になって相談に乗ったり、分かち合えるのはお前しかいない。悲しい過去を経験しているお前しか」

「けど僕がそんな事してもし、その子たちも同じそうな...いや、それ以上の傷を負ってしまったら...」

「それをコントロールするのは俺たちの仕事だ。だから楓舞、この仕事やってみないか?」

「もし...もしダメなら僕はすぐ辞めます。それでもいいですか?」

「あぁ。それでも俺はいい。自分の道が決まったらそっちに進めばいいし、ダメなら一度自分を見直してもいい。だけど今はお前に近い存在の奴らを助けてやってくれ」