「奏、私の分まで幸せなバレンタインを過ごしてきて」

「わ、若菜にもきっと素敵な彼氏が出来るよ!当日は若菜にもチョコ渡すからさ。だから元気出して」

「奏、その私幸せオーラが眩しいよ。来年こそは私も奏みたいに幸せオーラでいっぱいになれるように帰りは神社でお祈りしてくるよ」

「あたしに来年はないよ。だって...」

「そうか。薬師寺先生もう来年のこの時期には...」

そう。来年のこの時期に薬師寺先生はもういない。冬休みの時は冬和さんと龍也さんのことがあってちゃんと話せていなかった。学校を辞める理由をあたしは聞いていない。今度のバレンタインの時に聞いてみるつもりだ。