【完】恋の治療は保健室で

「なら送っていくよ」

「待て、杉原は俺が送ってく」

あたしの手を取ろうとした平川君の手を薬師寺先生が抑えた。

「君に杉原さんは任せられない。行くよ杉原さん」

「はい...」

「薬師寺先生、あんたはまた大事なヤツを不幸にするのか?」

「そのつもりはない。それに、不幸にするつもりならとっくの昔に手放しているよ」

先生に手を引かれて車がある駐車場に向かった。

そのまま車に乗り、家へ向かった。

「ごめんね杉原さん。みっともないところ見せちゃって」

「いえ、そんな...」

むしろ、あの場で何も出来なかった事に罪悪感を感じる。

「花火、結局見れなかったね。岡先生に後で連絡しないと」

「そうですね。心配していると思いますし」

キキーッ。
信号がいつもより長く感じる。気まずいな。

さっきのこと、まだ頭の整理が出来ていない。

あの時はただ二人が言い合っているのを見ているので精一杯だった。

口を出そうにも入る隙がなかった。足が固まって体も震えてた。