煌めいて初恋


「あ、でもここまで来るの大変じゃなかったの?結構迷うでしょ?」


「別に。体力はアイドルだからあるし、君の弾く音を辿っていけば簡単なことだったよ」


昴がそう言うと、楓はやっぱり昴はすごいと思った。
普通ならこんな山道を歩こうとは思わないし、しかも引っ越してきたばかりだと言うのなら尚更、こんなところを一人で歩こうとは思えないだろうから。


「あのさ、そのさっき弾いてた曲、なんて言うの?」


昴は遠慮がちに尋ねてきた。


「えっと…アメイジング・グレイス、タイスの瞑想曲、G線上のアリアだよ」


楓が思い出しながら言うと、昴はその言葉をはんすうした。


「アメイジング・グレイス、タイスの瞑想曲、G線上のアリア…?」