「っ…はよ!」

私、白波楓は、予鈴ギリギリに校内へ雪崩れ込んだ。


「おっそいーーー」


小学校の時からの親友、春田恵が頬を膨らませながら、駆け寄ってくる。


「ごっめーん!遅刻ギリギリセーフ!」


両手を広げて戯けて見せると、恵に呆れながら肩を叩かれた。


「また朝までヴァイオリン弾いてたの?相変わらずねー」


「へへっ、まーね。」


苦笑いしながら鞄を急いで片付ける。