煌めいて初恋


幸せな気持ちになるのに、冷たい涙が頬を伝っていく。
そしてその涙は、飴色の楽器の上に降りていく。


どんなに自然に心を癒されても、慰められても、その涙の意味を教えてくれることはなかった…。


楓は弾き終わって涙を拭うと、静かにハードケースの中にヴァイオリンをしまって、その場を離れていった。