「え…?白波、鬼島が好きなのか?」
凪は顔を引きつらせた。
「いやっ、違うよ…多分だけど。っていうか、私が誰かに恋するの、そんなに驚くこと?」
楓は顔を引きつらせて驚く凪に苦笑いを向けた。
「あ、いやー…その、今までさっ、白波にとっての恋人っていうか?好きな人って永遠にヴァイオリンなんじゃね?って思ってたからさ!なんか意外っつーか?」
凪は慌てふためいたように、あははと笑った。
「あ、それ私も思ってたー」
恵も同じようにクスクスと笑いながら楓の頭をよしよしと撫でた。
「私はね、嬉しいんだよ?ヴァイオリンばっかだった楓が今、こうやって誰かに興味を持っているってことがすごーく、嬉しいの」
恵は楓に甘々だ。
「う?なんか勝手に私が鬼島くんのことが好きみたいな話になってるんだけど!」
頬を赤らめて楓は抗議の声を上げる。
「まあまあー」
ニヤニヤしながら楓を見つめる恵と、それに顔を真っ赤にして反撃しようとする楓。
そんな二人を見つめていた凪の「うそ…だろ」という呟きは、誰にも聞こえていないようだった。
