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「……望みはお叶え致しました」



店主の目の前には、描かれた大きな青空の絵の目の前に吊り下げられた鳥籠に座り込んだ、鳥人の剥製。



大きく美しい翼で隠されたその表情は美しく、鳥籠の中にいるのに、とても幸せな夢を見ているように見えた。




「……長年の願いだったのでしょう。大空を自由に飛ぶのは。どうですか?」



彼女は返事をしない。


まるで、『もう少しこの気持ちを味合わせて』と言いだしそうなほどに幸せそうであった。






店主は、その美しすぎるほどに美しい剥製に背を向け、彼女の耳に入るかもどうかも分からないほど小さく呟いた。










「ご来店、ありがとうございました」