ーーーーブーッ、ブーッ……。
「んー、もう朝?」
耳元で鳴っているアラームのバイブ音に起こされた私は、手を伸ばし、そのまま電源を落とした。

「……準備しよ」
まだはっきりとしてない意識で洗面所に向かう。
顔を洗って髪を1つに結び、眼鏡をかけた。

別に目が悪いわけでもない。
ただ、顔を隠したいだけ。

今日から高校生になる私は、朝から憂鬱な気持ちになっていた。

「……って、時間ッ」

朝食を食べずに家を出た。