想像しただけでも胸が苦しい。 どうしてなのかな。 「ねぇ、綾乃ちゃん。あたしね、飛鳥くんに彼女ができたら、って考えたらすごく胸が苦しいの」 「ほんとはさ、結愛が自分で気づくべきなんだろうけどさ…」 綾乃ちゃんは『好き』という気持ちがどういうものなのかを教えてくれた。 好き、って言うのはその人のことを考えたら胸があったかくなったり、苦しくなったりするんだって。 「そっか、あたし…」 ―飛鳥くんのことが、好きなんだ。 ひとりの男の子として。