「まさか。いっつも俺より先に帰ってるのに今日は靴があったから。この時間なら人も少ないし一緒に帰れるかなって思って。っていうか一緒に帰りたいんだけど」
そう言われなんだか胸が暖かくなった。
一緒に帰りたい、って言ってくれたのが嬉しい。
今まで言ってくれたことなかったから。
「あたしも一緒に帰りたいな。だけど、掃除するから遅くなっちゃう…」
掃除、頼まれてるからちゃんとやって帰らないと。
「今日、山本さんじゃなかった?なんで花宮さんがやってるの」
「頼まれたの、用事があるからって」
「お人好し。俺も手伝うから早く掃除して帰ろ」
星名くんの手際はよくて、ひとりでした時の半分も時間がかからなかった。
