800m走に出場した玲可ちゃんは、3位と好成績を収めた。
「うちらの応援届いたでしょ?」
「うん、たぶん、声は全く聞こえなかったけど」
「嘘でしょホント?」
「てかもう暑いし長いし。もう一生800は走らない…」
そう言うと、玲可ちゃんはペットボトルの水を一気に喉に流し込んだ。
そこからしばらくは誰も出るものがなかったので、競技の様子を雑談をしながら見ていた。
そして午前の部最後の競技である綱引きに4人で出場した。
みんなで手を真っ赤にしながら頑張ったけれど、相手が3年生だったこともあり負けてしまった。
「皮剥けた〜痛い〜」
戻ってきて座るなり、少し涙目になりながらまりなちゃんが手のひらをまじまじと見た。
「私、絆創膏とか持ってるよ。まりな、ちょっとこっち来れる?」
「まじママじゃん百叶」
「万が一で持ってきてたけどよかった」
百叶は、家から持参したという消毒と絆創膏を鞄から出すと、慣れた手つきで手当てをした。
「このロケーションで食べるお弁当最高じゃない?暑いけど」
「うん最高、暑いけどね」
午前の部が終了しお昼休憩に入ったので、私たちは早速お弁当を広げた。
お母さんが毎朝作ってくれているいつものお弁当だけれど、外で食べるだけで、何だか少し特別感が増したような気がするのが不思議。
「午後はやっぱりさ〜、リレー楽しみじゃない?」
頬張ったおにぎりを飲み込むと、まりなちゃんが目を輝かせた。
「そうだね、うちのクラス誰出るんだっけ?」
お茶を一口飲んだ百叶が訊いた。
「んー忘れたっ」
「てかまりな、応援団でかっこいい人が〜とか言ってなかった?」
「あ!それもある!忘れてたっ」
午前中はほとんどが個人戦の競技だったけれど、午後は応援団パフォーマンスやクラス対抗選抜リレーなど、団体での競技がメインになる。
私たち4人が出る種目は全て午前中で終わってしまったので、午後は座ってゆっくりと観戦できそうだなと、3人の会話を聞きながら思った。


