直球すぎです、成瀬くん




おまけ。


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俺は完全に痺れを切らしていた。


好きとは言わないものの、視線の先にはいつもその子がいた。


好きなら好きって伝えたらいいのに。

そう言ったらあいつは決まって、「そんなんじゃねーよ」とはぐらかす。

いつも目で追ってんのバレバレなんだよ……



煮えきらない態度にいよいよ限界が来た俺は、夏休みに一大イベントを計画することにした。


「成瀬、ゆずゆずのLINE知ってるだろ?教えて」

「……は?」

「教えて!」

「……やだよ」



数日後に夏休みを控えたある日の放課後、昇降口に向かうその背中を見つけて声をかける。


「そこを何とか頼むよ!悪用しないから!」

「当たり前だろ……そもそも知ってどうすんだよ…」

「夏休み、ゆずゆずとももちゃんと4人で遊び行こうって言ったじゃん、それのグループ作りたいんだよ、いいだろ?」




その内容に僅かに瞳孔が開いたのを、俺は見逃さなかった。


「……それなら俺がグループ作る…あとは好きにしろ…」

「さんきゅ〜」


…よし、食いついた。






そして無事に約束の当日を迎えた俺は、今か今かとそのタイミングを伺っていた。


あいつはどうせ意地張ったヘタレだから、悪いけどここはゆずゆずに仕掛ける。



レッサーパンダを見る俺の隣にゆずゆずが来たところに、俺はそっと耳打ちした。


「俺、ももちゃんと仲良くなりたいからさ、それとなく2人きりにできるタイミングあったら協力してくれない…?」


それを聞いたゆずゆずは、文字通り目をまん丸にした。


「てことで、ゆずゆずもできるだけ成瀬と一緒にいて」


そう伝えると、ゆずゆずは「任せて」と言うみたいにしっかりと頷いた。


よし、あとは来たるタイミングで…………





しばらく園内を歩いていると、成瀬の一声で一旦休憩をすることになった。


ゆずゆずに飲み物を買ってこようかとももちゃんが提案しているのを聞いて、大チャンスが来たぞと構える。

よし、ゆずゆず、今だ…………!


何かを言いかけて、すぐにハッとしたような顔になった。


「あ……じゃあ、お願いしてもいい…?」


その言葉にももちゃんは嬉しそうに立ち上がる。

俺も嬉しくなってその隣に並ぶ。



ゆずゆずは、俺にエールを送るような目で見送ってくれた。

あまりにも純粋な瞳に若干の申し訳なさを感じたものの、これはあいつのためだ、とすぐに切り替える。


俺は背中の向こうにいる成瀬に向けて、ありったけの念を送りつけた。




ヘタレ頑固意地張り成瀬、さっさとゆずゆずに男見せろ………!






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ありがとうございました!
歩瀬