パチン、とスイッチを押して電気をつけると、思った以上に広いパントリーに驚いた。
えっと……どこだろう………
綺麗に整頓されているものの、棚がいくつもあってなかなか見つけられない。
「ん、これじゃね」
「…っえ、」
急に後ろから声がして振り返ると、私が見落としていたところから大きな袋を引っ張り出した成瀬くんがいた。
「あ、ありがとうございます…!」
……な、何か、成瀬くんの顔見れない…………!
恥ずかしさに耐えかねてそのままパントリーを出ようとしたら、腕を取られて引き戻される。
「……あ、の、成瀬くん……」
そのまま後ろから抱き締められる形になり、私の心臓は本日何度目か、また速度を上げて鳴り出す。
今日は全然心臓が休まらない……
「…このまま抜け出そっか」
「…え…」
ふっと笑った成瀬くんの息が耳にかかって、また顔が熱くなる。
「もう俺ら付き合ってること言ったし、抜けても文句言われねーだろ」
「そっ、そういう問題じゃ…」
「じゃどういう問題?」
すぐそこで聞こえる成瀬くんの落ち着いた低い声に、背中に触れている体温に、私の体は思うように動かない。
「えっ…と………」
「あれー?ゆずゆず?場所わかんない?」
「っ、!」
突然飛び込んできた宮城くんの声に、私は口から心臓が飛び出たかと思うほどびっくりした。
「あっ、だっ、だいじょうぶですアリマシタ…っ!」
未だにバクバクと鳴り止まない心臓を押さえながら、成瀬くんの腕から抜け出すとパントリーを出た。
「お、ありがとー……って、あれ」
「……え…?」
リビングに戻った私を見るなり、不思議そうに首を傾げる宮城くん。
…ど、どうしたんだろう…………まさか、さっきので顔がものすごく変になってる……!?
「おい、何取りに行ったんだよ」
「……え……あっ」
後ろには、さっきの大きな袋とペットボトルを持った成瀬くん。
…慌てすぎてすっかり忘れてた………!
それをテーブルの上に置くと、どさっとソファに座った。
「おーさんきゅ成瀬、悪いな主役なのに」
「全くだ」


