直球すぎです、成瀬くん




「前髪ね?結構重ためだね、ずっと切ってない?」

「あ…はい…いつもこんな感じです…」

「そうなの?もったいない〜」

「えっ…」

「可愛いんだから目隠さない方がいいよ、あたしに任せて、今の100倍可愛くしてあげる」


鏡越しににっこりと微笑んだお姉さんはシャツの袖を捲り直すと、腰に下げたシザーケースからハサミを取り出した。





「ごめんね、まりなのことだから、きっと強引に連れてこられたんでしょ?」

「えっ…」

「昔からそうなの、自分がコレって決めたらそこに一直線タイプだから…」


話しながら、お姉さんは手際よく私の前髪を丁寧に切ってくれている。

いつもなら前髪長めで頼んで切ってもらっていたから今回もそんな感じで…揃えてもらえるだけでいいと思っていたけれど、せっかくまりなちゃんのお姉さんに切ってもらえるんだから、今回はお任せすることにした。



「けど悪い子じゃないと思うのよ、純粋だし真っ直ぐだし…あ、シスコン発言みたいでごめんね」


軽く笑って、お姉さんは続けた。


「よかったら今後とも仲良くしてあげて?うちの店にまりなが友達連れてくるのなんて初めてだから、きっと柚ちゃんのこと大好きだと思うのあの子」


そんな……こと、言われたの初めてで、胸の奥がきゅっとなった。


どうしよう、嬉しい…………



「はい…!こちらこそ、今後とも、ぜひ、よろしくお願いします…!」

「ふは、柚ちゃん面白いね」

「えっ」

「ハイ、完成〜」


その声で、私は目の前の鏡に映る自分を見た。

視界がパッと明るくなった気がするし、何となく気分も軽くなった気がする。


「どう?結構印象変わったんじゃない?」

「はい…!全然、違います…!」


いつもは目にかかるくらいの長さだった前髪は初めて眉下くらいの長さに切り揃えられ、ボリュームも減らしてもらい軽やかに…かなり印象が変わった気がする…!