女の子をかき分けて、やっと金木くんたちのところにたどり着く。
「お待たせ」
周りの女の子たちに見せつけるように、文ちゃんは優斗さんの腕に抱きつく。
「ごめんね、待った?」
私もそれに釣られ、金木くんに声をかける。
金木くんをみると顔が真っ赤になり、私と目線を合わせてくれない。
「どうしたの?」
「いや…その…」
腕で顔を隠し、下を向いている。
「女の子たちに囲まれるのがそんなによかったの?」
少し怒ったように、さっき文ちゃんに言われた通りに頬を膨らませる。
「いや、そんなんじゃっ!」
やっと顔を上げた金木くんだったが、またしても私の顔を見るなり下を向く。
「なんでこっちを見てくれないの?」
金木くんの顔を覗き込むように、下から金木くんの顔を見上げる。
「だって…南央さん、今日すっげぇ可愛いんだもん」