新の後に続いて長い廊下を歩き案内されたのが、高そうな絨毯に皮のソファがあるお部屋。
数人がけのソファに新と隣同士で座る。
少ししてから、1人の男の人がお茶を持ってきてくれた。
「ありがとうございます」
「いえ」
単調な会話を交わす。
男の人が部屋から出ていくと
「あまり緊張しないでね。こんな家だけど普通の親だから」
新の言う、“普通”とは果たして私と同じ普通なのだろうか
「うん」
想像もつかない新の両親像を頭の中で何通りも想像する。
めちゃくちゃヤクザ
うちのような両親
嫁姑関係が難しそう
クセが強い
などなど、頭の中はフル回転で想像している。
「坊っちゃん。旦那様と奥様が到着されました。」
障子の向こうから声が聞こえた。
「わかった」
すると新は立ち上がり、それに釣られて私も立ち上がる。
「いつも通りの南央でいいから」
そう言われる。

