1時間ほど車を走らせ、私の実家に到着した。
車をガレージに止めて、玄関に向かう。
「うわぁ、さっきよりも緊張してきました」
背筋をピンと伸ばし、少し身震いをしている。
「ただいま」
そんな新を他所に、私は家の中に入っていく。
その後を追うように新も「お邪魔します」と挨拶をして中に入る。
「おかえりなさい、南央。っ、その方が紹介したいって言っていた方?」
パタパタパタとスリッパの音を鳴らしながら、お母さんが玄関に来る。
そして新を見るなり、私と新を数回交互に見る。
「ええ」
「あらー!そうなのねっ!さっ、早く上がって頂戴。お父さんも待ってるから」

