そして1月が過ぎ、仕事も大きなプロジェクトも成功して落ち着きを取り戻したため、私たちは土日を使ってお互いの家に挨拶に行くことにした。
「南央さん南央さん、この格好変じゃないですか?」
とは言っても彼の着ているのはYシャツに黒のパンツ、どこで間違えれば変になるのかわからないくらい普通の格好だ。
「大丈夫よ。私なんかが選ぶより、新が選んだ方がよっぽどマシよ」
新のご両親に挨拶に行くため、私も洋服を新しく買いに行った。
しかし私が選ぶ物全部、新が却下し、結局新と店員さんが選んだ洋服に決めたのだ。
「そうでしたねw」
少し私をバカにしたような笑い方を覚えた新は、最近そればかりしてくる。
「ほら、早く行くわよ。あ、そこの車のキー取って」
お互いの両親は今県外に住んでいるため、車での移動になった。
もともと車は持っていたため、レンタカーなどは必要なかった。

