「誰?今の」
ムッとした新。
「元カレ」
「ふーん」
声のトーンが一気に落ち、低く響いている。
「今は連絡も取ってないよ」
さっきとは立場が逆転した。
「うん、わかってる」
「私が好きなのは新。私の初めては新だから」
公共の場で何を言っているんだ!
と言葉を発してから自分に突っ込む。
「うん、俺もさっき南央さんが信じてくれたみたいに信じるよ。でもごめん。俺って嫉妬深いみたい」
顔に手を当て、「はぁ」と大きくため息をつく。
「大人げないな」
「うんん、そんなことないよ」
「家に帰ったら…」
「さっ、早く食べよ」
帰ったら…のあとに続く言葉がなんとなく想像がついてしまったので、その言葉を聞く前に料理を食べるように誘導した。

