朝目を覚ますと、私は金木くんの大きな腕の中にいた。 携帯に表示される時間を見ると 8:42 と示された。 一瞬遅刻だ! と思ったが、今日が日曜日だということに気がつき、慌てて起き上がるのを辞めた。 まだ眠っている金木くんを眺めながら、そっと彼の髪を撫で下ろす。 「どうしたんですか、南央さん。夜這いならぬ、朝這いですか?」 目を閉じたまま金木くんが口を開ける。 「起きてたの⁈」 「はい、南央さんが起きる10分ほど前ですけど」 目を開け、金木くんが逆に私の髪を撫で下ろす。