サクラの話を聞き終えた一同は
今現在、サクラが人の形で生まれショウと一緒にいる事に対して感慨深いものがあり良かったねと思うばかりだ。


「…まあ、話を聞いて思う所はあるが。
引っ掛かる所も多く感じた。」

そう話すのは、サクラの話を聞きながら何やら渋い顔をして考え込んでいたリュウキだ。

「その中でも、大きく気になる点がお前だ、サクラ。」

その言葉に、一部を抜かしみんな首を傾げていた。何故、そんなにサクラが気になるのか。

「お前もイライラの限界がきてる様だ。まどろっこしい話は抜きにして率直に言おう。
お前、ダリアなんじゃないのか?」

と、思いもよらぬ事を口に出してきた。みんな驚きの表情でリュウキを見た。そして、サクラは、…は?と、まの抜けた表情をし、直ぐに

「…冗談でもやめろ!!俺があのクズと同一人物の訳ないだろ!本当に気持ち悪い!!」

サクラは、今すぐにその考えを訂正しろと心底嫌そうに抗議していた。

「可能性の話だ。そう騒ぐな。」

リュウキは、うるさいとばかりに両耳を塞ぎサクラの抗議を無視し話を続ける。

「目が覚めた時には、その世界の秩序や成り立ちを知っていたというのも気になるが…。
聞いていて思ったのが、お前、記憶が欠けてる部分があると言ったな?
もしかしたら、ダリアもそうだったんじゃないのか?二人共、一部の大事な記憶を無くす…言わば記憶喪失のようなものなんじゃないのか?
お前の持っている情報とダリアの知ってる情報を合わせて一つの記憶が完成するように思う。」

フウライやシラユキ達も思う所はあった。
サクラ達がいた世界は、どういった世界かはよく分からないがサクラ自身よく分かっていない事が多いように感じた。

「そして、お前はダリアから“剣の能力”をもらったと言ったが、剣の能力とはどのような能力なんだ?」

と、問うリュウキに

「“何処にいても天の居場所が分かる”“天と命が繋がる”だ。だから、今世、裏の世界で生まれた俺だったがショウ様の気配を辿りここまで来る事ができた。」

なんて誇らしげに話した、サクラに

「…お前、馬鹿か。まんまとダリアに騙されてるじゃないか。」

リュウキは、深いため息をつきサクラを見た。サクラはカチンときたのか、苛ついた表情でリュウキを睨んだ。

「なあ、思い出してみろ。お前は、目が覚めたら自分のいるべき場所じゃない所にいた。
だから、お前は本来自分がいるべき国へと行き、自分のあるべき場所はエリスだと直感的に感じエリスのいる場所から離れる事はなかった。

おかしいだろ。

何故、そんな事が分かる?右も左も分からない記憶喪失状態のお前が、直感だけを頼りにエリスを見つけ出せるなんて変だろ。

なあ、ここまで言えば気付くだろ?」

そこまで、リュウキが言った所でハナ以外みんなハッとした。…と、いうかハナはよく分からない話についていけず居眠り中である。

「サクラ、お前がさっき言った“剣の能力”と同じじゃないか?
つまり、サクラお前は“剣の能力”を最初から持っていた事になる。つまりは、お前はエリスの“もう一人の天守”だったと考えるのが妥当だろう。
おそらく、お前とダリアの間に何かありお前は、自分の国から遠く離れた場所まで飛ばされた。その拍子に強い衝撃により一部の記憶が欠けた可能性がある。」

この短時間でよくそこまで推測ができるとシラユキやベス帝王は感心し、リュウキの話の続きを熱心に聞いていた。

「これは俺の勝手な想定の話だが、ダリアがエリスを捨てた時にはダリアは“剣の能力”を失っていた。天を裏切ったらそれなりの罰があるだろう。現に、ダリアは紫の目から赤い目に変わった。罰なら、目や髪の色が変わるだけで済むとは思えない。

…ん?…いや、何でだ?そうだと断言できる。

…だが、何故ダリアがお前に剣の能力をくれてやる、と、言ったのかは分からないが。」

ここにきて、リュウキの様子がなんだかおかしくなってきた。
そこに、首がガクンと大きく揺れパチっと目が覚めたハナは、リュウキの様子を見て寝ぼけているのだろう

「そりゃそうだ。お前は、昔も今もずっとショウの父ちゃんだろ。」

と、言いまた眠気に負けて寝てしまった。
そこにリュウキは大きく反応し

「…あ、ああ。そうだ…何となくだが知ってる様な気がしてたんだ。何となくだが思い出してきた。
俺の前世はビクター。その前は、ハオ。
それこそ、記憶がぶっ飛んでるが覚えている事は俺はダリアに殺されたという事だ。」

と、衝撃的な事を言ってきた。激しく頭が痛むのかリュウキは頭を押さえながら

「ハオだった頃の俺は小さな無数の水滴だった。そんな俺は樹木マナに恋をし雨となりマナに愛を注ぎ込んだ。そして、マナの周りには湖ができ、そこから芽が生えてきて、やがて蕾になり花が咲きそこから我が娘が生まれた。

そこまでは良かったが、そこに現れたのがダリアだった。

ダリアは、生まれたばかりの我が娘を抱き締め

『…フフ!やっと生まれてくれたんだね!嬉しいっ!マジで嬉しいっ!!
俺様の元に生まれてきてくれて、ありがとう。俺様のミア。俺様だけの愛おしいミア。
これから俺様達ずっと一緒にいられるんだぜ?
幸せ過ぎて、どうにかなりそ!!』

なんて、喜びで涙を流しているのを俺とマナがホッコリ見守っていたが、ダリアは急にこちらを向いてこんな事を言ってきた。

『俺様のミアには俺様以外何者にも触れさせねー。ミアが必要とするのは俺様一人で十分だ。』

俺とマナはダリアによって消されてしまった。

残念だが、今、俺が思い出せるのはこれくらいだ。

…………ッッッ!!?

…いや、まだあった。

そういえば、俺の娘が生まれる数年前。
そうだ、ダリアが誕生する時の話だ。紫色の光の玉が見えた瞬間、聞いた事もない様な巨大な雷が落ち凄まじい光を放った。

その凄まじさは大地や大気までも揺らし、大暴風と無数の雷を引き起こした。

それは世界中を巻き込んだ。

だが、その現象が起きたのはほんの一瞬だった。凄まじい光が消え、ようやく目を開く事ができた時、上空に誕生した紫色の光は徐々に姿を変えそれはそれは見た事もない美しい少年が誕生していた。

我が国の天を守るべく生まれし天守、ダリアの誕生だった。

だが世界中を巻き込んだ光の衝撃が強かったのだろう。世界中の人々に少し記憶が欠落してしまうという現象が起きていた。

そして、その時俺は気のせいかとも思っていたんだが、今になって確信している事がある。

ダリアが誕生したあの日、紫色の光は一つではなかった。二つあるように見えた。

だが、二つの光が見えたか見えないかハッキリしないうちに、あの凄まじい光で目を開く事ができなかった。目を開けた時には光は一つしかなかった。だから、気のせいだと思っていたのだが…。

おそらくだが、ダリアの他にそこに誰かがいた筈だ。

よくよく考えてみたら、おかしい話だったんだ。天守は二人いる、とされていたにも関わらずダリア一人が現れた。

だが、ダリアこそこの国の王なのではないかと思われるくらいに、ダリアは全てにおいて完璧だった。だからこそ、“二つの天守の力”を持って生まれた特別な存在なのだと誰もが疑わなかった。

しかし、今となって考えてみれば、やはり天守は二人いて、何らかの理由によってもう一人の天守は行方不明になってしまい、カリスマ性の塊であるダリアの存在により初めから居ないものとされた。

だから、今の俺は考えた。

そのもう一人の天守はお前だったんだ。

サクラ。

おそらく、ダリアが剣なら、お前は盾。

それなら、納得だ。お前が特に結界、バリアーに長けている事も理由がつく。」

と、リュウキは頭を押さえ大量の汗を流しながらも自分の推測や考えも交えて話してくれた。

その内容に、みんな頭がなかなかついてこれず、驚きのあまり固まったままだった。
それから、頭の中で整理がつき理解するまでにしばらく掛かっていた。もちろん、サクラもだ。

そこで、いち早く内容を飲み込み理解したフウライはある事に気づいた。

「王様。何故、あなたがハオという水滴だった時、世界中のあらゆる場所や人々の様子まで事細かに知っていたのですか?
まるで、間近でその様子を見ているかの様に話されていたので気になり失礼ながら質問させていただきました。」

その質問に、リュウキは

「…ああ。その時の俺は、目に見えない程の数えきれない数の素粒子で全世界にいた。
だが魂源は我が国にあり、世界中に散らばる俺には意識など存在しない。だが、そこで見聞きした情報は魂源である俺に集まってきた。だから、知っている。
あらゆる事も知っていた。この世の始まりからこの世界について全てだ。…だが、この情報量と知識レベルなどにおいて、人間の脳では処理しきれない。

“知ってる”筈なのに“分かっている”事なのに、ある一定以上の事は深く考える事もできない。

だから、掻い摘んだ部分的な事しか言えないな。」

と、話してきた。

それは、驚きを通り越してまるで神話を聞いているかの様だった。

「我が妻だったマナも俺同様に草木や大地を通して世界中のあらゆる事を見聞きする事ができた。そして、我が娘は、俺とマナの間にしかできない子供。俺達夫婦は、娘をこの世に誕生する為の素材だ。
その当時は、意識はあるものの自我というものはなく単純なフワフワした気持ちしか存在しなかった。

だが、生まれ変わり人となった今では、自我が生まれ、その当時の自分を思えばクソ喰らえと思ってしまうな。素材とか、ふざけるな、俺は俺だとな。」


なんて、何かに向かい挑発的な事を言っていた。それでも、みんな話に謎が多すぎてどこからどう聞けばいいのか手をこまねいていた。

「…知りたい事はたくさんありますが、そもそもの話。天守とは一体どういった存在なのですか?天については、多少は理解できましたが、天守については謎が多すぎます。」

様々な謎だらけの情報が多い中、その中からより重大であろう所を抜粋しフウライはリュウキに聞いた。そんなフウライに、リュウキを含めサクラまでもがフウライの聡明さに瞠目した。

「一応だが、“天”とは、何かを司る者。それがあるおかげで我々は生きていける。
例えば“火”を司る天もいれば、“踊り”を司る天 
“花”、“湖”、“不幸”、“武運”、“イタズラ”、“石”、“毒”など。多種多様で数えきれない程存在する。

天は、その頂点に立ちその分野の全てを持っている。

例えばだ。石の天で言うなら、石の細かな種類、ダイヤモンドから軽石まで様々あるが。
ダイヤモンドを司る者、軽石を司る者とそれぞれの石一つ一つに司る者が存在し、その者達はその国の民として暮らしている。

もっと言うなら、単にダイヤモンドと言ってもまた枝分かれしブルーダイヤモンド、ピンクダイヤモンドと更に細かくいてな。

ダイヤモンドなら、ダイヤモンド族という種族がいてダイヤモンドの原種が一族の長となり、次の地位に来るのはその種類でも希少価値の高い者と続いていくんだが…。

そして、その希少さからクラスが分かれ、力や能力までも違い、城に勤める事のできるのは原種が多く、その中でも希少性や価値などに実力も比例していてそれによっても地位も違う。
また、原種に限らず希少価値が高い者もその能力や力、才能によって、原種以上のクラスや地位に付いている者も少なくなかった。

それら全てを司るのが、石の天…つまり国の王という訳だ。」


なるほど、と思った。

つまり石を司る国では、宝石となる石が上界という場所(地位、位)にいて、中界クラスには石と宝石の中間に位置する石、石や軽石など我々がどこでも目にするそこら辺の石が下界クラスという感じなのだろう。

だが、その中でも原種の石は特別な力があり、それぞれの長(リーダー)としての地位がある。
もちろん、長達の中でもランクがある。
そして、その中でも原種以外で原種以上の特別な力のある例外も存在する。

石を司る者達は、その価値や希少性に比例した能力や力などが備わっており、その力や能力などにより選ばれた者達だけが城で働く事ができる。

城の中でも、それぞれに特化した能力などで自分達に合った所へと配属される仕組みになっている実力主義といった所だろう。



「次に、だいぶ気になっていただろう“天守”についてだ。

天は何かを司る存在。だから、天が死ぬなんて事があれば、天が司るもの自体消滅しその天のいる国や民全て消滅しなかったものになる。
それを防ぐために、いかなる時も天の側に居て天を護る者、それが天守。相当なまでに重要な存在だ。

“通常の天守”については、“文武両道”“王への忠誠心”“カリスマ性”など兼ね備えた言わばパーフェクト人間。

国の中で一位、二位を争うトップ2。

二人の全体的な能力値を見て、攻か守の称号を与えられる。本当はこんな単純な話ではないが、分かりやすく説明すれば攻は攻撃性に特化し、守は守備に特化して判断される感じだな。

しかし、これらも生まれた時から分かっている事なので、天守の攻と守は生まれた時からその命を受け自覚している。

それは、天守に限らずそれぞれの役職についている者達においても然りだ。

そして、多くの天守のうちどちらか、または両方と天が恋仲、あるいは結婚までしている者達は数多くいる。

理由は運命と言える。」


そこまで言った所で、シラユキは目をキラキラさせながらリュウキに食い付いた。


「キャッ!“運命”!!?それって、どういうものなのでしょう?よく女の子達が信じている“運命の赤い糸”とか、そのような類なのでしょうか?」

シラユキの食らいつきに、フウライやシープなどは少々引き気味に見ていた。

フウライはやはり、女性はこんな類の話が好きなのだろうか?とも、考えたが、リュウキの後ろで立ちながら器用に寝ている自分の妻を見て…いや、例外もいるなと微妙な顔でハナを見た。


「そうだな。そんな感じだ。
天守に選ばれる者は“運命人”という特別な存在が優遇される事が多い。
運命人とは、互いに切っても切れない程の絆、相性、惹かれ合う者の事をいう。

それは、いい意味でも悪い意味でもだ。

例をいうなら、何を犠牲にしてでも家族でさえ捨てても大切な親友。命をかけてでも何がっても一生涯その人だけを愛し尽くす恋人、または夫婦。

その強い気持ちや運命を持っているが、片方だけ一方通行の場合は運命人とは言えない。双方、互いのピースがハマった者だけが運命人と言われる者だ。

しかしながら、この運命人というのは極稀にしか存在しないのも事実。

運命は誰しもに必ずあるが、運命と運命人とは運命という点では同じだが、全く違う別物だという事は理解してもらいたい。

できれば天守に選ばれる者は天の運命人が望ましい。全体的な能力値が高ければの話だがな。

そこで、運命を司る天と、縁を司る天の二人でそれを見つけ見極める。
まあ、だが先程も言った様に運命人とは、極々僅かしか存在しない。

だから、天と天守は必ずしも運命人ではないし、数知れぬ程多くのの天が存在しても運命人が天守に付いている天は数える程度しかない。

それほどまでに希少なんだ、運命人というのは。」


と、運命人の希少性について説明するリュウキの話を(きっと、私とウダツさんも運命人なんだわ。)と、夢みがちにシラユキは心の中でキャーキャー悶えながら興味津々に聞いていた。

フウライも、運命人というものがあるなら自分とハナもそうに違いないと真剣に思っていた。


「俺で例えれば運命人は、妻であるアクア。娘であるショウ。そして、我が右腕であるハナだな。俺は、希少な運命人が3人もいる。」


と、リュウキが言った事で、運命人は恋や愛に限った事ではない。中には複数人存在する人物もいる事に気付かされた。

「…まあ、運命人は必ずしも近くにいる訳ではないし種族も違えば、魂さえ宿っていれば人でない物でもあり得る。例えば、武器や乗り物、一輪の花などある。

だが、天守は自分の国の者でなければならないという掟がある。何故なら、その国は司るものを守護する国だからだ。

その為、天守は様々な観点から総合的に見て、天と国にとって選りすぐりの者が選ばれる。

ちなみにだが、“そこの世界の者達”は生まれた時から成人時の知識が備わっており、姿も自分に見合った年齢の姿で生まれる。
だから、生まれた時から老人の姿の者も結構いたな。もちろん、その逆で子供の姿の者もいる。16〜28才くらい前後の者が断トツで多かったがな。

みんな不死で年齢など存在しない。それ以上、老いることも若返る事もない。そんな世界だ。」


そこで気になるのが、“通常の天守”ではという言葉。ならば、他にどんな天守がいるというのか。


「今から話す天守は、その世界におていて何処を見ても例もなければ存在もしない。

【特別な天守】

数えきれない程多くの国ができた頃。

その全ての国を合わせた程の巨大で大規模な国が生まれた。そこは、とても神秘的で幻想的な国であり宮殿も見た事も聞いた事もない程のそれはそれは壮大でいて美しく神々しかった。

各国の者達も、きっと此処の王は自分達では想像もつかない程の能力や力を持った者に違いないと興味を持った。

そこにいる民や神獣達も、類を見た事もない素晴らしい能力や力、知性を持った者達ばかりで一人一人が優秀であった。しかも、どの者達も美男美女ばかり。

他の国とは、全く質や毛並みが違ったのだ。

そして、その国ができたと同時に、全ての国の者達は新しい情報が頭の中に追加された。

この国は“特別”である。

特別であるから、この国の“天守”も特別だと。

この国の天守は、天の運命人である。
この国の天守は、天の全てである。

と。

この国の天守は特殊で
“天”が赤子というゼロの“何も分からない”“何もできない”状態から成人になるまで天を育てる役割をもっていた。

言わば、育ての親であり教師だな。

そして、他の天守達同様、天を護る使命をもつ。

また…いや、これについては、また面倒な話もあるからやめておこう。聞いても情報量が多すぎて混乱するだけだろう。

それはさて置き

それが特別なこの国の天守という存在だ。」


と、話し終えた所で、素朴な疑問が湧きベス帝王は質問した。


「…いや、壮大な話で少々頭が追い付けていない所もあるのが正直だ。だが、そもそもの話だ。どの名で呼べばいいのか分からないが…そのエリスと呼ばれる天は、何を司る天なのだ?」

それは、みんなが興味ある所。

「それは言えない。言う事ができない。
だから、エリス、愛称はエリー、真名ミアが何を司る天なのかは、エリスの親である俺とマナ、本来ならばエリスの天守だけが知っている。これは、当の本人でさえ知らない事だ。

そして、エリスを愛称で呼ぶ事が許されているのは名付け親でもあるダリアのみ。真名は、俺ら親と天守のみが呼ぶ事を許される。
また、ダリアの真名も然り。ダリアの真名はダリアの天のみ呼ぶ事を許される。

何故、真名など存在するのかは教える事はできない。」

リュウキはそう言って苦笑いしていた。
そこから、言い方を変えたりどんな風に聞いてもそれ以上はリュウキは、その事に関してだけは何も言わなかった。

もちろん、サクラもそれについて知っている風ではあったがリュウキ同様うんともすんとも言わなかった。と、いうか、ツンとした態度で無視を決め込んでいた。そして、もう十分だろとさっさと出て行ってしまった。