だって、今の今まで
恋人や結婚相手は絶対一人だと言い張り、サクラとロゼ両方好きになってしまったショウは自分が不埒者だ。自分の理想と違う!
と、いう理由から何がどうあっても、どちらかと恋人、結婚するつもりはないと断言していたのだ。
今までの経緯とサクラとロゼの間での話し合いから、苦渋の選択でショウと恋人、結婚できないよりだったら
サクラとロゼ両方と、恋人、結婚してもいいと、サクラとロゼは腹を括りそのつもりでいたにも関わらず
ショウは意外にも頑固で、二人のその説得に応じる事もなく。
落ち込むサクラとロゼを見かねて、オブシディアンどころかリュウキまでもが、サクラとロゼ両方と結婚してもいいと説得に説得を重ねても
そんなの絶対におかしい!
運命の王子様とお姫様は一人なの!!
と、ショウは癇癪を起こすばかりだったのに。
ここにきて、無意識だろうが感情的になって勢いに任せただけであろうが、ショウはサクラとロゼを自分の天守かつ伴侶と認めたのである。
そこを逃してはならないと、ショウをよく知るサクラは
「ショウ様!私をショウ様の天守そして、恋人にしてもらえてとても嬉しいです。ありがとうございます。
結婚しても、変わららない愛…いえ!
今まで以上にショウ様を大切にします。
ショウ様の恋人になれて、私はとても嬉しいです。」
と、至極嬉しそうに柔らかい笑みを浮かべショウを見つめ、物語の王子様の如く美しくも
まだ、我に返ってないショウの手を取り両手にキスをし、手首、脛、首、鎖骨、鼻にキスをしていき、それから
ショウの唇にキスをして
「ショウ様が小さい頃から教えてましたよね?唇へのキスは、恋人や結婚相手にしかしてはいけないと。」
と、うっとりと妖艶な笑みを浮かべ、艶やかな声でショウに囁き
ここぞとばかりに、ショウが言葉の撤回ができないように畳み掛け
そこに便乗するように、ロゼも負けじと
「…ふぬぬぅ〜っ!サクラめ!
何と、抜け目のない奴じゃ!じゃが、これは千載一遇の大チャンスじゃ!
これを逃してはならん気がする!!」
と、ロゼは猫の姿から人の姿に戻ると、ドンとサクラを押し退けて
「お主様のお心しかと受け取ったぞ!我は、今から真のお主様の天守であり、恋人であり将来の夫となる者!
お主様、我とサクラ以外に浮気や不倫など許さぬよ?お主様の天守であり、恋人兼将来の夫となるのは我とサクラだけ故。
我もお主様に、身も心も全て既に捧げておる。我の全てはお主様だけのものじゃ。何よりも一等大好きじゃぁ〜〜、お主様。」
そう言って、魔導でショウを浮かせると
ショウの足の裏、お尻、胸、喉、頭、唇と順番にキスを落としていきご満悦そうな顔をしていた。
そんなロゼの顔面にサクラは足蹴りし
「大勢の人達が見てる中、わざわざそんな破廉恥な場所選んでキスするバカがいるか!!?この恥知らずがっ!!?」
と、怒り奮闘にロゼに説教したが、ご機嫌さんのロゼにはそんな言葉も攻撃も意味がなかったようで
ロゼはすぐさま猫に変化して
ショウの肩に乗り全身を使って、ショウの顔や頭にご機嫌にゴロゴロ喉を鳴らしながらスーリスリと愛情表現をしていた。
それに負けじとサクラも、緊張でドキドキしつつもショウの隣にピッタリとくっ付き腕を絡め何度もショウの頭やおでこにキスをしていた。
そこで、ようやく我に返ったショウは
「…え?……あ、あれ?これって……」
状況を飲み込めず、サクラやロゼを見たあと助けを求めるようにリュウキの顔を見た。
すると、リュウキは胡散臭い満面の笑みを浮かべながら
「まさか、ここでショウの恋人兼将来の旦那二人ができるとはな。こんな、イケメンな旦那二人も捕まえるなんて隅に置けないな。
今まで、お前達の事を見てきた俺だ。
これは認めざる得ないな。おめでとう。」
まさかの祝福の言葉を言ってきてビックリ。今度は、オブシディアンに助けを求め見ると
『おめでとう、ショウ様。良かったね。三人が納得いく形で恋人になれた事は奇跡に近い。こんな例はまずないよね。幸せになってね。』
オブシディアンまで、そういう始末。
勢い任せとはいえ、自分が言った事を撤回できる状況ではなくなりオロオロするショウに
「「浮気は、絶対に許しませんよ?(許さぬからの!)」」
と、サクラとロゼのトドメの言葉と勢いに負け、ついにショウは
「……へ?…は、はい?」
承諾の返事までしてしまったので、取り消す事なんてできなくなり
サクラとロゼは、そんなショウの様子を見て心の中で
(よっしゃーーーっっっ!!!)
と、ガッツポーズを取り
思わず、サクラとロゼはグータッチをして興奮のまま互いの顔を見てニヤッとしたのだった。
そして、ハッと我に返った二人はグータッチした場所を顰めっ面をしながら汚いものを払うかのようにパンパン払うのであった。
仲がいいんだか悪いんだか…そんな二人をみんなは生温かい目で見ていた。
だって、顰めっ面から二人の表情は直ぐに柔なものに変わり
ようやく長い長い時を経て、大好きで堪らない人と恋人になれた喜びで胸がむず痒くも熱くなり愛おしい恋人を見てはニヤニヤが止まらない二人であった。
だが、やっぱり二人と交際のちに結婚なんて爛れてると感じたショウは、慌てたように
「…で、でも!サクラとロゼ同時に恋人とか結婚なんて、おかしいよ!絶対、ダメ「いいんです!」
三人交際はおかしいと抗議しようと口を開いたショウが全てを喋り切る前に、サクラはショウの言葉に強く自分の言葉を重ねてきた。
それに驚き、言葉が引っ込んだショウを見計らい、サクラはショウの説得にかかった。
「ショウ様の言いたい事はよく分かります。それは、私やロゼだって同じ気持ちです。」
「…だったら…」
「じゃがっ!それでもじゃ!我だってお主様を独り占めしたい。
しかし、お主様は我とサクラ同時に同じくらいに好きだという。だから、我とサクラと恋人や結婚はできないと!」
「…うん…。二人同時に好きになるとか…私、最低だよ。」
「いえ!そのような事は決してありません!!人の心は、例え自分であっても自在に操れません。それは、どうしようもない事なのです。」
「…でも…」
「じゃから、我とサクラはたくさんたくさん話し合ったよ?
じゃが、我もサクラもお主様を諦める事も譲る事もできぬ。お主様が自分以外の者となんて考えたくもない!
そこで、はじめて我とサクラの意見が一致したのじゃ。」
「……???」
「本当にかなり悩んで悩んで、私とロゼが苦渋の選択をした結論です。
“ショウ様の伴侶になりたい!そこは誰にも譲れない。
ショウ様が私とロゼを同時に好きになった為に、私達を諦めるというのであれば!
ならば、ショウ様の伴侶になれないくらいなら、私とロゼ両方を伴侶にしてくれた方が全然マシ”
だと!そう、結論が出たのです。」
「……へ!?」
「それにあたって色々とルールを作らねば、いざこざが起こるかも知れぬからの。そこはお主様を交え我らのこれからについて話し合いたいと思うちょる。」
「…ルール?」
「ショウ様!私達は、生半可な気持ちでこの決断に至った訳ではありません。
私もロゼもお互いに認め合ったからこそ出た結論です。
ですから、ショウ様の私やロゼに対する気持ちが本気だというなら将来結婚を前提とした恋人になってほしいのです!
…もし、本気でないなら私とロゼは、ショウ様に振り向いてもらう為に努力し続けるだけです。」
「そもそもじゃ!お主様は、我らの告白に応じ、我らを心から喜ばせておいて。
やっぱり、自分の理想とは形が違うと言って我らを捨てるつもりかえ?我らを騙したのかえ?
それは、あまりに酷い話じゃ。我らを傷付けて楽しいかえ?」
サクラとロゼの一斉説得に、アワアワしているショウにロゼの悲痛な言葉が突き刺さり
「……えっ!?…騙すって…え?
…私、二人に酷いことして傷付けてるの???」
困惑して悲痛な面持ちでリュウキを見ると、リュウキは困ったように苦笑いしながら
「…まあ、そうなるな。ショウを好きで好きで堪らない二人に、一度はいい返事をして二人を喜ばせておきながら。
“やっぱり無し”は……二人にとっては、ショウに裏切られたという気持ちになり、絶望で奈落の底に突き落とされたように感じているだろうな。」
そう答えた。
それを聞いて慌てたようにショウはサクラとロゼを見ると、何とも言えない悲壮感たっぷりの表情でショウを見ていた。
いつもの二人なら、自分達があっさりと折れてショウの好きにしていいと言ってなんでも許してくれるのに
今回ばかりは違う。
絶対に譲れないという断固とした揺るぎない決意が感じられた。
そんな二人を見て、本人達の意思や親、信頼できるオブシディアンの意見も聞いてショウは決意した。
「…さ、サクラ、ロゼ、私とお付き合いして下さい!」
ショウは、まさか自分が告白するなんて微塵も考えてなく、いきなり答えを求められたようなものだったので告白の仕方なんて分からなくて
だけど、ショウなりに二人に一生懸命に告白をして恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にしてペコーっと頭を下げた。
…ドッキドッキドッキ!
…こ、告白って、こんな感じで大丈夫かな?
何か間違えてないかな?
もっと、いい告白の仕方があったんじゃ…!
と、頭の中でグルグル考えながら、二人の返事を待っていると
前の方からやわたで優しく包み込むようにショウを抱き締めてくるサクラに
「はい、もちろんです。ショウ様が存在した瞬間から、私の全ては余す事なくショウ様のものです。
既にショウ様に永遠の愛と忠誠も捧げています。…愛しております、ショウ様。」
いつの間にか人の姿に戻ったロゼは後ろからショウを抱き締め
「お主様、我はお主様がおらぬ人生など考えられぬ。我の全てをお主様に捧げようぞ。
お主様が好き過ぎて、我の全てはお主の好きで溢れかえっておる。
だぁ〜好きじゃぁ、お主様。言葉では伝えられぬ程に好きで好きで堪らぬ。一時も離れとうない!」
二人の情熱的な告白を受けて、ショウは喉から心臓が飛び出してしまうんじゃないかというくらいドキドキしていた。
だが、そんなショウを見て
「…今更だな。いつも、毎日のようにサクラとロゼに情熱的な言葉を貰い、ウザイくらいの愛情も捧げられていたというのに、それが当たり前過ぎてその有り難みと意味さえ分かってなかったんだろう。
それが、“恋人、結婚”という枠ができた事により、それが実感に変わり本当に今更だが、二人の粘着質な深過ぎる愛に戸惑っているんだろう。」
リュウキは、苦笑いしながらショウを挟み込むように抱き締め、ショウに自分達を受け入れてもらえた嬉しさと感激で泣きながらも
ショウの見えない所で、足蹴したり腰をつねったりとちゃっかり喧嘩している二人を見てみんな呆れ笑いをするしかなかった。
そこへ
リュウキは、サクラとロゼの首に腕を回しショウから引き離すと
いきなりの事にキョトンとするショウから少し距離を取り
「まずは、長い長い片想いの末ようやく自分達の気持ちが通じ、めでたくショウと恋人になれた事を祝福しよう。」
リュウキにはあり得ないくらいのニッコリ笑顔で、サクラとロゼはリュウキに恋愛成就の祝福を受けた。
…受けてはいるが、サクラとロゼの首に回ったリュウキの腕は一見すると交友的に見えるが、実は周りには気付かれていないだろうが(オブシディアン以外)二人の首はギリギリと締められている。…めちゃくちゃ苦しいし痛い!
全然、祝福されてない!と、思うし何か裏がありそうだと嫌な予感しかしないサクラとロゼ。
そんな二人に、リュウキはニッコリ笑顔のまま小言で
「お前達を、ショウの恋人、将来の伴侶として特別に認めてやろう。
だが、ショウは心も体もまだまだ未熟だ。だからエッチは結婚してからだ。もちろん、ディープキスもな?
それが、できないならショウとの結婚は許ないからな。
あと、結婚も俺の許可なくして勝手に婚姻できないからな?」
と、二人に強制的にそんな条件を言い渡し、二人を力任せにドンッ!と、突き放す形で解放した。
「……チッ!自分は散々、色んな女とやりたい放題のくせに!クソヤローが!」
「……そんにゃ…!せっかく、お主様と心が通じ合ったというのに、エッチができにゃい……そんにゃぁぁ〜〜〜!!!我はお主とイチャイチャしたい!いっぱいいっぱいエッチしたいにゃぁぁ〜〜〜ッッッ!!!?」
してやったりと御満悦なリュウキに対し、今の状況を喜んでいいのか悲しむべきか複雑な心境のサクラとロゼであった。
だけど、やっぱり
二人にとって永遠とも思える片想いが両思いになり、ショウと恋人になれた事は天にも昇る心地で嬉しくて嬉しくてニマニマが止まらない二人だ。
そして、余計なのもいるけど!
なんて、お互いにバチバチ火花を散らすも、やっぱり嬉しいの方が勝って二人はショウにベッタリである。
いつもの光景であるが、前より遠慮がなくなった分ベッタリがベットリに変わっていた。
そこに、一瞬ではあったが
突然眩い紫の光が周りを照らされた。
………!!!?
恋人や結婚相手は絶対一人だと言い張り、サクラとロゼ両方好きになってしまったショウは自分が不埒者だ。自分の理想と違う!
と、いう理由から何がどうあっても、どちらかと恋人、結婚するつもりはないと断言していたのだ。
今までの経緯とサクラとロゼの間での話し合いから、苦渋の選択でショウと恋人、結婚できないよりだったら
サクラとロゼ両方と、恋人、結婚してもいいと、サクラとロゼは腹を括りそのつもりでいたにも関わらず
ショウは意外にも頑固で、二人のその説得に応じる事もなく。
落ち込むサクラとロゼを見かねて、オブシディアンどころかリュウキまでもが、サクラとロゼ両方と結婚してもいいと説得に説得を重ねても
そんなの絶対におかしい!
運命の王子様とお姫様は一人なの!!
と、ショウは癇癪を起こすばかりだったのに。
ここにきて、無意識だろうが感情的になって勢いに任せただけであろうが、ショウはサクラとロゼを自分の天守かつ伴侶と認めたのである。
そこを逃してはならないと、ショウをよく知るサクラは
「ショウ様!私をショウ様の天守そして、恋人にしてもらえてとても嬉しいです。ありがとうございます。
結婚しても、変わららない愛…いえ!
今まで以上にショウ様を大切にします。
ショウ様の恋人になれて、私はとても嬉しいです。」
と、至極嬉しそうに柔らかい笑みを浮かべショウを見つめ、物語の王子様の如く美しくも
まだ、我に返ってないショウの手を取り両手にキスをし、手首、脛、首、鎖骨、鼻にキスをしていき、それから
ショウの唇にキスをして
「ショウ様が小さい頃から教えてましたよね?唇へのキスは、恋人や結婚相手にしかしてはいけないと。」
と、うっとりと妖艶な笑みを浮かべ、艶やかな声でショウに囁き
ここぞとばかりに、ショウが言葉の撤回ができないように畳み掛け
そこに便乗するように、ロゼも負けじと
「…ふぬぬぅ〜っ!サクラめ!
何と、抜け目のない奴じゃ!じゃが、これは千載一遇の大チャンスじゃ!
これを逃してはならん気がする!!」
と、ロゼは猫の姿から人の姿に戻ると、ドンとサクラを押し退けて
「お主様のお心しかと受け取ったぞ!我は、今から真のお主様の天守であり、恋人であり将来の夫となる者!
お主様、我とサクラ以外に浮気や不倫など許さぬよ?お主様の天守であり、恋人兼将来の夫となるのは我とサクラだけ故。
我もお主様に、身も心も全て既に捧げておる。我の全てはお主様だけのものじゃ。何よりも一等大好きじゃぁ〜〜、お主様。」
そう言って、魔導でショウを浮かせると
ショウの足の裏、お尻、胸、喉、頭、唇と順番にキスを落としていきご満悦そうな顔をしていた。
そんなロゼの顔面にサクラは足蹴りし
「大勢の人達が見てる中、わざわざそんな破廉恥な場所選んでキスするバカがいるか!!?この恥知らずがっ!!?」
と、怒り奮闘にロゼに説教したが、ご機嫌さんのロゼにはそんな言葉も攻撃も意味がなかったようで
ロゼはすぐさま猫に変化して
ショウの肩に乗り全身を使って、ショウの顔や頭にご機嫌にゴロゴロ喉を鳴らしながらスーリスリと愛情表現をしていた。
それに負けじとサクラも、緊張でドキドキしつつもショウの隣にピッタリとくっ付き腕を絡め何度もショウの頭やおでこにキスをしていた。
そこで、ようやく我に返ったショウは
「…え?……あ、あれ?これって……」
状況を飲み込めず、サクラやロゼを見たあと助けを求めるようにリュウキの顔を見た。
すると、リュウキは胡散臭い満面の笑みを浮かべながら
「まさか、ここでショウの恋人兼将来の旦那二人ができるとはな。こんな、イケメンな旦那二人も捕まえるなんて隅に置けないな。
今まで、お前達の事を見てきた俺だ。
これは認めざる得ないな。おめでとう。」
まさかの祝福の言葉を言ってきてビックリ。今度は、オブシディアンに助けを求め見ると
『おめでとう、ショウ様。良かったね。三人が納得いく形で恋人になれた事は奇跡に近い。こんな例はまずないよね。幸せになってね。』
オブシディアンまで、そういう始末。
勢い任せとはいえ、自分が言った事を撤回できる状況ではなくなりオロオロするショウに
「「浮気は、絶対に許しませんよ?(許さぬからの!)」」
と、サクラとロゼのトドメの言葉と勢いに負け、ついにショウは
「……へ?…は、はい?」
承諾の返事までしてしまったので、取り消す事なんてできなくなり
サクラとロゼは、そんなショウの様子を見て心の中で
(よっしゃーーーっっっ!!!)
と、ガッツポーズを取り
思わず、サクラとロゼはグータッチをして興奮のまま互いの顔を見てニヤッとしたのだった。
そして、ハッと我に返った二人はグータッチした場所を顰めっ面をしながら汚いものを払うかのようにパンパン払うのであった。
仲がいいんだか悪いんだか…そんな二人をみんなは生温かい目で見ていた。
だって、顰めっ面から二人の表情は直ぐに柔なものに変わり
ようやく長い長い時を経て、大好きで堪らない人と恋人になれた喜びで胸がむず痒くも熱くなり愛おしい恋人を見てはニヤニヤが止まらない二人であった。
だが、やっぱり二人と交際のちに結婚なんて爛れてると感じたショウは、慌てたように
「…で、でも!サクラとロゼ同時に恋人とか結婚なんて、おかしいよ!絶対、ダメ「いいんです!」
三人交際はおかしいと抗議しようと口を開いたショウが全てを喋り切る前に、サクラはショウの言葉に強く自分の言葉を重ねてきた。
それに驚き、言葉が引っ込んだショウを見計らい、サクラはショウの説得にかかった。
「ショウ様の言いたい事はよく分かります。それは、私やロゼだって同じ気持ちです。」
「…だったら…」
「じゃがっ!それでもじゃ!我だってお主様を独り占めしたい。
しかし、お主様は我とサクラ同時に同じくらいに好きだという。だから、我とサクラと恋人や結婚はできないと!」
「…うん…。二人同時に好きになるとか…私、最低だよ。」
「いえ!そのような事は決してありません!!人の心は、例え自分であっても自在に操れません。それは、どうしようもない事なのです。」
「…でも…」
「じゃから、我とサクラはたくさんたくさん話し合ったよ?
じゃが、我もサクラもお主様を諦める事も譲る事もできぬ。お主様が自分以外の者となんて考えたくもない!
そこで、はじめて我とサクラの意見が一致したのじゃ。」
「……???」
「本当にかなり悩んで悩んで、私とロゼが苦渋の選択をした結論です。
“ショウ様の伴侶になりたい!そこは誰にも譲れない。
ショウ様が私とロゼを同時に好きになった為に、私達を諦めるというのであれば!
ならば、ショウ様の伴侶になれないくらいなら、私とロゼ両方を伴侶にしてくれた方が全然マシ”
だと!そう、結論が出たのです。」
「……へ!?」
「それにあたって色々とルールを作らねば、いざこざが起こるかも知れぬからの。そこはお主様を交え我らのこれからについて話し合いたいと思うちょる。」
「…ルール?」
「ショウ様!私達は、生半可な気持ちでこの決断に至った訳ではありません。
私もロゼもお互いに認め合ったからこそ出た結論です。
ですから、ショウ様の私やロゼに対する気持ちが本気だというなら将来結婚を前提とした恋人になってほしいのです!
…もし、本気でないなら私とロゼは、ショウ様に振り向いてもらう為に努力し続けるだけです。」
「そもそもじゃ!お主様は、我らの告白に応じ、我らを心から喜ばせておいて。
やっぱり、自分の理想とは形が違うと言って我らを捨てるつもりかえ?我らを騙したのかえ?
それは、あまりに酷い話じゃ。我らを傷付けて楽しいかえ?」
サクラとロゼの一斉説得に、アワアワしているショウにロゼの悲痛な言葉が突き刺さり
「……えっ!?…騙すって…え?
…私、二人に酷いことして傷付けてるの???」
困惑して悲痛な面持ちでリュウキを見ると、リュウキは困ったように苦笑いしながら
「…まあ、そうなるな。ショウを好きで好きで堪らない二人に、一度はいい返事をして二人を喜ばせておきながら。
“やっぱり無し”は……二人にとっては、ショウに裏切られたという気持ちになり、絶望で奈落の底に突き落とされたように感じているだろうな。」
そう答えた。
それを聞いて慌てたようにショウはサクラとロゼを見ると、何とも言えない悲壮感たっぷりの表情でショウを見ていた。
いつもの二人なら、自分達があっさりと折れてショウの好きにしていいと言ってなんでも許してくれるのに
今回ばかりは違う。
絶対に譲れないという断固とした揺るぎない決意が感じられた。
そんな二人を見て、本人達の意思や親、信頼できるオブシディアンの意見も聞いてショウは決意した。
「…さ、サクラ、ロゼ、私とお付き合いして下さい!」
ショウは、まさか自分が告白するなんて微塵も考えてなく、いきなり答えを求められたようなものだったので告白の仕方なんて分からなくて
だけど、ショウなりに二人に一生懸命に告白をして恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にしてペコーっと頭を下げた。
…ドッキドッキドッキ!
…こ、告白って、こんな感じで大丈夫かな?
何か間違えてないかな?
もっと、いい告白の仕方があったんじゃ…!
と、頭の中でグルグル考えながら、二人の返事を待っていると
前の方からやわたで優しく包み込むようにショウを抱き締めてくるサクラに
「はい、もちろんです。ショウ様が存在した瞬間から、私の全ては余す事なくショウ様のものです。
既にショウ様に永遠の愛と忠誠も捧げています。…愛しております、ショウ様。」
いつの間にか人の姿に戻ったロゼは後ろからショウを抱き締め
「お主様、我はお主様がおらぬ人生など考えられぬ。我の全てをお主様に捧げようぞ。
お主様が好き過ぎて、我の全てはお主の好きで溢れかえっておる。
だぁ〜好きじゃぁ、お主様。言葉では伝えられぬ程に好きで好きで堪らぬ。一時も離れとうない!」
二人の情熱的な告白を受けて、ショウは喉から心臓が飛び出してしまうんじゃないかというくらいドキドキしていた。
だが、そんなショウを見て
「…今更だな。いつも、毎日のようにサクラとロゼに情熱的な言葉を貰い、ウザイくらいの愛情も捧げられていたというのに、それが当たり前過ぎてその有り難みと意味さえ分かってなかったんだろう。
それが、“恋人、結婚”という枠ができた事により、それが実感に変わり本当に今更だが、二人の粘着質な深過ぎる愛に戸惑っているんだろう。」
リュウキは、苦笑いしながらショウを挟み込むように抱き締め、ショウに自分達を受け入れてもらえた嬉しさと感激で泣きながらも
ショウの見えない所で、足蹴したり腰をつねったりとちゃっかり喧嘩している二人を見てみんな呆れ笑いをするしかなかった。
そこへ
リュウキは、サクラとロゼの首に腕を回しショウから引き離すと
いきなりの事にキョトンとするショウから少し距離を取り
「まずは、長い長い片想いの末ようやく自分達の気持ちが通じ、めでたくショウと恋人になれた事を祝福しよう。」
リュウキにはあり得ないくらいのニッコリ笑顔で、サクラとロゼはリュウキに恋愛成就の祝福を受けた。
…受けてはいるが、サクラとロゼの首に回ったリュウキの腕は一見すると交友的に見えるが、実は周りには気付かれていないだろうが(オブシディアン以外)二人の首はギリギリと締められている。…めちゃくちゃ苦しいし痛い!
全然、祝福されてない!と、思うし何か裏がありそうだと嫌な予感しかしないサクラとロゼ。
そんな二人に、リュウキはニッコリ笑顔のまま小言で
「お前達を、ショウの恋人、将来の伴侶として特別に認めてやろう。
だが、ショウは心も体もまだまだ未熟だ。だからエッチは結婚してからだ。もちろん、ディープキスもな?
それが、できないならショウとの結婚は許ないからな。
あと、結婚も俺の許可なくして勝手に婚姻できないからな?」
と、二人に強制的にそんな条件を言い渡し、二人を力任せにドンッ!と、突き放す形で解放した。
「……チッ!自分は散々、色んな女とやりたい放題のくせに!クソヤローが!」
「……そんにゃ…!せっかく、お主様と心が通じ合ったというのに、エッチができにゃい……そんにゃぁぁ〜〜〜!!!我はお主とイチャイチャしたい!いっぱいいっぱいエッチしたいにゃぁぁ〜〜〜ッッッ!!!?」
してやったりと御満悦なリュウキに対し、今の状況を喜んでいいのか悲しむべきか複雑な心境のサクラとロゼであった。
だけど、やっぱり
二人にとって永遠とも思える片想いが両思いになり、ショウと恋人になれた事は天にも昇る心地で嬉しくて嬉しくてニマニマが止まらない二人だ。
そして、余計なのもいるけど!
なんて、お互いにバチバチ火花を散らすも、やっぱり嬉しいの方が勝って二人はショウにベッタリである。
いつもの光景であるが、前より遠慮がなくなった分ベッタリがベットリに変わっていた。
そこに、一瞬ではあったが
突然眩い紫の光が周りを照らされた。
………!!!?
