私が少しでも動くたび、ジャラリと手足につながれた鎖が音を立てる。前までは塔の中を自由に歩き回れたのに、今では塔の中でさえ行動を制限されていた。

「お兄さん、これ外して?重くて動きにくいよ」

私は黒い鉄枷のついた両手をお兄さんに見せる。お兄さんは顔色一つ変えない。むしろ不思議そうに首を傾げる。

「何で?だって鎖を外したらまたラナは逃げようとするでしょ?」

「そ、そんなことーーー」

「一度俺を裏切った人の言葉なんか、信用できるはずがない!!」

大声で怒鳴られ、私の肩がびくりと跳ねる。こんなに怒っているお兄さんを見るのは、私が幼い頃に「外に出たい」と駄々をこねた時以来だ。

「ねえ……」

怯え続ける私の頬にそっと手が当てられる。お兄さんの手だ。いつもは優しいその手がなぜか今日は怖い。

私が体を震わせていると、お兄さんは優しく私の頬や頭を撫で始める。そしてしばらく私を撫でた後、ギュッと抱き締めた。