プロローグ

朝。

目を覚ますと、私は知らない屋敷の一室にいた。

ーここは、どこだろう?-

そんなことを考えていると、

ガチャリ。

部屋のドアが開き、同じクラスの広瀬蓮(ひろせれん)が中に入ってきた。

「やっと起きたか…。相変わらず寝坊助な奴だな。」

蓮はそう言うと、ふんっと小バカにしたように笑う。

「ちょっと!何勝手に私の部屋に入って来ているのよ⁉」

「『私の部屋』って…。何を言っているんだ?お前は。ここ、俺の家。ここ、俺の部屋の一つ。お前は居候の身だということを忘れたか?」

蓮の言葉に、ハッとする。

そっ、そうだった…。確か、こいつの家に世話になることになったんだっけ⁉

はぁっと深くため息をつく。

どうしてこんなことになってしまったのかと言うと、全ては、私のパパが作った借金のせいなんだ…。