君に毒針



いつから、こんなに悩むようになったんだろう。

リュウ先輩がすきなのに、リュウ先輩の特別にはなれない。

そんなことはずっと前からわかっていて、ずっと前から知っている。




『神楽はまだ子供だから、彼女にできない』


いつかに言われたリュウ先輩のセリフが頭の中にこだまする。

リュウ先輩は熱っぽい視線を残して、わたしのことをちゃんと拒否しない。
まだ、って未来を期待させている。ずっと描けない未来の話をしている。


まだっていつまで待てばいいの?
いつまで待てば楽になるの?
いつになったら、この片思いを終わらせてくれるの?


そうリュウ先輩に問うタイミングはいくらでもあったのに、わたしはリュウ先輩から与えられるものだけを受け取って、自らリュウ先輩を暴きはしない。

そうやって、拒絶している。終わりをずっと、拒否してる。