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「ん、」
「え?」
「いや、乾杯しましょうよ」
「あ、うん、そうだね……かんぱい?」
カチンと、控えめにぶつかったふたつのグラス。
中身はソフトドリンク同士なんだから乾杯ってのもなんだか変な気分。
あのあと、樋野くんは変わらずのらりくらり色んな店を回って。
結局なにが買いたかったのかよくわかんなかったけど、ほしいものは買えたって言ってたから、わたしが見てない間に何か手に入れたのかもしれない。
わたしもわたしで、久しぶりのウインドウショッピングでいい気分転換になった。
密かに樋野くんってオシャレだなあと思っていたから、樋野くんに服のアドバイスを聞くのは、結構ためになったし、次回以降の服選びのひとつの指標が増えた感じ。
「俺、アパレルでバイトしてるんで、」という言葉通り、樋野くんのセンスはわたしのそれよりずっとレベルが高くて、マネキン買い以外の選択肢がなかったわたしからすれば、すごい、以外の言葉が出なかった。


