確かに言葉通り彼氏はいたことがない。
華の女子高校生から今に至るまでずっと、リュウ先輩に片思いを捧げていたから、出来る気配すらなかった。
───けど、わたしは、憧れの少女漫画に出てくる主人公のような鈍感さを持ち合わせてはいない。
樋野くんの視線の意味も言葉の意味も、はっきりと聞かなくたってわかっている。
初めは確証が持てなかったことも、そうなのかな?って思い始めたら、全部に理由があるように思えて。
ストレートな好意が、むず痒い。
「んー、決まんない。よし、次行きましょ」
「えっ、買わないの?」
「うん、買わないです。他にも見てみたいところあるので」
のらりくらりと樋野くんは店を移動する。買いたいのか、買いたくないのか。読めない樋野くんの行動に眉間にシワをよせれば、怒んないでくださいって樋野くんが微笑んだ。
なんか、こういうの、ほんとにデートしてるみたい、だ。


