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「ミナ先輩、いつ暇?」
「………へ?」
大学の授業っていうのは、なかなか上手く組めなくて。
どう頑張っても現れ出てくる空きコマに暇を持て余していたとき。
どこからか現れた樋野くんが、すごくナチュラルにわたしの隣に座った。
「あ、わたしコンビニ行ってジュース買いに行こーっと」
どこかわざとらしい声を上げてサクラがそういえば、同じ学科の友達たちもなぜか同意しながら立ち上がって、この場をまるで楽しんでいるように意味ありげな視線を残す。
なんだよ、さっき水筒出してたくせに、ジュースなんていらないだろ、サクラ。


