君に毒針



清水先輩を無視して、ぎゅーってサクラにひっつけば、「俺はおあついふたりの邪魔ぽいわ」と軽口を叩いた清水先輩はいつもの定位置──窓際に寄りかかった。

サクラ嫌そうな顔してても絶対わたしのこと引き離さないから好き。こんなこと言わないけど。



大学生のサークルなんてものは、あってないようなものっていうか、ほぼ遊びに来てるようなもので、高校までのほぼ半強制的に毎日絶対参加、の部活とは違うんだなあって1年前ココに来た時に思った。

サークルに全然来ないのに飲み会の時は何故か来る人、もいるし、たまあに顔を出してくれる人、もいるし、学祭とかの前だけ急に来る人、もいるし、わたしみたいにほぼ毎日居座ってる人もいる。


でも、ジャズ研は、どちらかというとちゃんと活動している方だと思う。他のサークルの内情を詳しく知ってるわけではないから偉そうなことは言えないけど、なんとなくそんな気がしてる。

ほら、だって、毎日誰かしらがセッションして遊んでるし。それってちゃんと‘サークル活動’してるってことになるだろう。





「……神楽、」