「ミナって大胆なのか繊細なのかどっちなのよ」
「……どういうこと?」
「挨拶がわりに告白するくせに、ほかの女の子には弱気って…もっとさあ、なぎ倒していきなよ、あんな子たちには負けずにガツンとさ!ガツンと!」
「………ばかー!サクラのばか!出来ないよそんなの無理だってえ、ばか!ばか!ううぅ」
「わ!!ちょ、本気で泣くな!わたしが泣かせたみたいじゃん!?」
冗談からはじまったはずが結局涙目になってしまった。うるうるとする視界には、あたふたしながらハンカチをわたしに押し付けるサクラがいる。
わたしだってわかんない。自分が大胆なのか繊細なのかなんて。
先輩すきです、の言葉は告白というよりは一種の宣言であり宣誓で。伝えないとわたしがわたしじゃなくなっちゃう気がしている。
先輩のことは確かにだいすきで、わたし以外の女の子が先輩の隣にいるとヤキモキするし、こんな風に泣きべそかいてしまう。
でも、心のどこかでは彼女たちに混じっている自分が想像できなくて仕方ないって諦めてしまっているし、変なプライドなのか彼女たちに混じるようなことはしたくないと思っている。
自分でも自分がとても面倒だ。真っ直ぐなようで全然真っ直ぐじゃない。
「ま、肉はわたしが持ってきてやるから。悲しいならテントの中で座ってな」
「さ、サクラ!?イケメン!?」
「惚れんなよ?」
「えーー!?惚れる!だいすき!2番目に!」
「いや、そこは1番でしょ」


