君に毒針



(???side)



俺のことをすきになればいーのに。

そんなことを言えたら苦労しないのにって、何度思ったんだろう。


完全に夢の世界に旅立ってしまった彼女を、抱き上げてベットに運べば、危機感もなんにもない顔ですーすーと寝息を立てていて。

ほんと、ずるいヤツ。



「……もうそろそろ、アイツじゃなくてもよくねえ?」



あどけない寝顔にそう言ったって、届かないことは知ってる。

知ってるけど、抑えられないことくらい、わかってよ。


4年も経ってんだろ?そろそろ、片思いしてるお前見んの飽き飽きしてんだよ、俺は。



「………おやすみ、ミナ」