君に毒針




登下校でたまに見る歳下の女の子に、どうしてか興味を持ってしまったこと。

自分からあんなふうに女の子に話しかけたのは、実は初めてだったこと。

あの子には濡れて欲しくなくて、俺の右肩はずぶ濡れになってしまっていたこと。

───今日だって、ずぶ濡れなこと。




離れていくのが怖くて、離れてほしくなくて、実は必死だったこと。

本当はもう随分前からあの子の俺への片思いは過去のものになっていたのに、それを気付かせないようにしていたこと。

新しいあの子の片思いの邪魔をしていたこと。




全部、俺の、俺だけの秘密だ。一生誰にも教えてやらない。