ついさっきまで隣にいたあの子のことを思い浮かべる。盗むように重ねた口付けは、後悔の香りがした。
もっとはやく諦めるんだった。
もっとはやく手放すんだった。
諦めの悪い俺のせいで、あの子のことを沢山泣かせてしまった。沢山傷付けてしまった。
もう少ししたら、あと少ししたら、向き合えるんじゃないかって、結論を先延ばしにして縛り付けていた。
はじめからわかっていたのに。俺はあの子の隣には立てないって、無理だって、わかっていた。
同じ恋ではなかった。俺はあの子の抱く恋と同じ恋ををしているわけではなかった。
あの子の恋心に近い、ずっと近い、違う何かだった。
同じなんだ、と思いたい時もあった。でも、どうしたって違っていたんだ。


