俺はそのままの彼女に憧れを抱いていた。変わっていくのを拒んだ。
はやく解放してあげないとって思うのに、離れていくのを許してあげられなかった。
ずっと、その心地のいい美しい心を、俺に向けて欲しいと思ってしまった。
「リュウ先輩、」
そう呼ぶのはあの子だけだった。あの子だけにしていた。他の子にはそう呼ばれることを拒んだ。「竜星って呼んで?」ってわざとやめさせた。
ばかだなあ、と思う。でも、俺は何度やり直したってばかなままなんだと思う。
俺はあの子のことをすきだったのかもしれない。でも、あの子の隣にいる俺をどうしたって思い描けなかった。
俺の後ろで俺を追いかける、あの子の純真さがすきだった。向き合えないと思った。


