君に毒針



(清水side)



「……リュウ、おまえ、やったな」



この階の共用廊下の1番奥。
買い物に行くなんて嘘で、どうせそこにいるんだろうと思って来てみれば、やっぱりリュウはそこに座っていて。
「話せた?」と俺を見上げるから、「リュウのせいでな、」と軽く蹴る。



「要らぬお世話だった?」



部屋に戻ろうとする俺の後ろをすこし遅れて歩きながらリュウはそう問いかけるから、そうだよ、と言ってやりたい気持ちを抑えて、「さあ?」と答えた。



「どう?」

「…なにが?」

「気分」

「最悪だよ」

「…そっか」

「…まあ、でも、まじで少しだけ感謝してる」

「……うん、」

「これでもう1回熱出したら、リュウのせいな」

「そんときは、お見舞いに酒持ってくるよ」

「ばかかよ、酒は風邪の時には呑まねえよ」