君に毒針




繋がった指先が震えていた。どくどくと、指先から脈が伝わった。
清水先輩は、顔はあげないまま、わたしに問う。


終わらせた、と思っていたのは、自分勝手なわたしの押しつけだった。
わたしは、ずっと清水先輩の言葉を聞かなかった。欲しくないことを貰わないようにしていた。見ないようにした。ないものとした。誰よりも、わたしはずるかった。



今更言ったって、と2ヶ月前には何も告げなかった。そんな言い訳で、わたしは最後まで逃げた。清水先輩に向き合わなかった。

真っ黒な袋に入れて、中を見えないようにして、そうやって捨てた。
だけど、本当は、救ってあげるべきだった。もう芽は出ていなくても、そこに存在しなくても、過去にあった小さな気持ちを、救わなければいけなかった。



「…清水先輩、」



指先は繋いだまま、先輩の顔を見るためにわたしもしゃがむ。
そしたら、「今最高にかっこわるいから、がちで見ないで、ほんとに」と先輩は顔を背けるから、無理にそれを暴くことはしなかった。