「…………ぜんぶ、俺が弱くて、言えなかった。弱かったんだ」
泣き出しそうな声だった。
だから、何か言わないと、と思うのに、わたしのなけなしのボキャブラリーじゃ気の利いた言葉の組み合わせが見つからなくて、ただずっと、清水先輩の言葉を聞いていた。
清水先輩が、わたしのことを、すき、だった。
事実がゆっくり浸透していく。見えなかった片思いが、暴かれる。
「なあ、神楽、」
先輩の手のひらが、ゆっくりと伸びて、それから、わたしの手のひらを取った。
先輩は座り込んだまま、ぎゅうっとわたしの指先を握る。
「───神楽……ううん、ミナ。ミナは、ちょっとでも、俺のこと、すきに、なってなかった?」


